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【色彩学】より素敵なモノクロ画像に!

2021.02.12

オーデザインチャンネルズの川口です^ ^

モノクロ(白黒)の写真って、味があっていいですよね。色味がない分、より写っているモチーフに目がいく気がします。

カラー画像→モノクロ画像への変換は、いまやアプリを使うと誰でもチョチョイとすることができます。まさにワンタッチ!
でも、このワンタッチで作ったモノクロ画像は、正直、微妙な仕上がりの場合が多いです。明るい画像、暗い画像、コントラストが強い画像・弱い画像、どんな色味の画像も同じように変換してしまうので、それはまあ、イマイチの仕上がりも出てきますよね。

今回は、モノクロ画像に変換する時に「ひと工夫」して、より素敵なモノクロ画像を作る方法をお伝えします^ ^
なんでも簡単にできる時代。簡単にできることは誰にでもできること。やはり、自分なりのこだわりを持たないと、魅力にはつながりません!

下記は、昨年撮影した写真です ^ ^
これを、モノクロ画像に変換したいと思います。

秋の丹後町

1)カラー画像→モノクロ画像の変換方法

変換方法はたくさんありますが、代表的な方法をいくつかご紹介します。使用するツールは、今回もAdobe Photoshopです。

①カラーモードをグレースケールにする
②彩度を下げる
③「白黒」調整レイヤーを使う

結論からいってしまうと、③が断然おすすめです!
それは、「モノクロに変換するときのトーンをカラー毎に調整できるから」なんです。

①カラーモードをグレースケールにする

まずは、カラーモードを変換する方法から。

●イメージメニュー>モード>グレースケール
ワンタッチで変換できました!が、変換して終わり、トーンの調整はできません。それゆえ、この方法はお勧めできません。。。

RGBカラーモードをグレースケールに変換

②彩度を下げる

彩度を下げることで、色相がなくなり、モノクロ画像をつくることができます。

●「色相・彩度」調整レイヤー>彩度の数値を下げる(-100にする)
ただし、この変換方法は、言うなれば「のぺっとした」グレーの画像になります。コントラストがないと言うか…。それは、この方法が「明度をもとにした変換方法」を行っているからです。それゆえ、これも不十分です。。。

「色相・彩度」調整レイヤーで彩度を0に

補足)「明度」と「輝度」の違いって?

モノクロ画像に変換する場合、「明度をもとにした変換」と「輝度をもとにした変換」があります。この違いを知っていることで、より最適な画像変換を行うことができます。

明度も輝度も「明るさの度合い」のことですが、輝度をもとにした変換を行うと、「色による明るさの違い」を考慮することができます。

例えば、下記の画像(RGBモードで、RGB値・CMY値を最大に設定したもの)を「②彩度を下げる」の方法でモノクロにしてみましょう。
おっと、トーンがすべて同じグレーになっていましました。

「色相・彩度」調整レイヤーで彩度を0に

これは、「明度をもとにした変換」を行っているからです。彩度を0にした時、この画像の場合明度の数値はすべて同じなので、同じグレーになってしまうのです。
これでは確かに、「のぺっとした」画像になってしまいますね。

これを「輝度をもとにした変換」にする方法は、実はとても簡単です。
調整レイヤーの描画モードを「カラー」に変更するだけです。

Photoshopの公式サイトから「描画モード>カラー」の説明を引用すると、「基本色の輝度と、合成色の色相および彩度を使用して、結果色を作成します。これにより、画像内のグレーレベルが保持され、モノクロ画像のカラー化およびカラー画像の階調化に役立ちます。」とあります。
なんと、これはまさにやりたいことではないですか!

で、早速試してみました。
おっと、明るさの違いを考慮してくれている感じがします!!

「色相・彩度」調整レイヤーで彩度を0に + 描画モードを「カラー」に

これを応用して、先ほどの「②彩度を下げる」で作った画像の調整レイヤーをカラーに変更してみました!

「色相・彩度」調整レイヤーで彩度を0に + 描画モードを「カラー」に

違いが分かりますかね笑
葉っぱのところや山のところなど、コントラストが強くなっていると思います。これは、「輝度」をもとに変換したからなんですね。
ここまですると、変換方法としては有りだと思います!

わかりやすように、左右で描画モードを比較してみました
左:通常モード 右:カラーモード

2)なんだかんだ「白黒」調整レイヤー

少し話はズレましたが、とはいえ、なんだかんだ今日の結論は「ワンタッチでモノクロ変換してもだめ。そのあと写真に合わせてトーンの調整を行ってね」と言いたいのです。
ワンタッチ変換で終わらず、そのあとトーンの微調整を行って魅力たっぷりの画像を作って欲しいのです。
それが実現できるツールの一つが下記なのです^ ^

③「白黒」調整レイヤーを使う

●「白黒」調整レイヤー>オプション(属性)で微調整!

上記が属性パネルです。「プリセット」で登録されたプリセットからグレーの調子を選択できたり、「カラースライダー」で画像内の特定のカラーのグレーのトーンを調整したり、指マークの「画像上調整ツール」で画像上をドラッグして、その場所の対応するカラーのカラースライダーを変更したりできます。
これらを駆使して、自分が素敵だなと思うモノクロ画像に調整するのです。

これは、「白黒」調整レイヤーを適応させただけの状態。

補整の内容は目的や個人の好みに合わせてなんでもいいですが、私の場合は、「もうちょっとコントラスト上げてはっきり見せたい」「空をもうちょっとはっきりさせたい」という感じでしょうか。

ですので、「カラースライダー」を下記のように変更してみました。
・「グリーン系」の数値を下げる
・「イエロー系」の数値を上げる
・「シアン系」「ブルー系」の数値を下げる

葉っぱの感じ、空の感じがはっきりしたと思います^ ^

3)「レベル補正」で引き締める

最後に。
基本的にモノクロ画像に変換しただけの画像は、のぺっとしてしまうことが多いです。ですので、「レベル補正で引き締める」という作業をおすすめします。

下記は、雪の日のオデチャンからの風景。

単純に「白黒」調整レイヤーをかけました。コントラストを上げて、雪の白さを強調したいですね。

「レベル補正」を使って、コントラストを上げました。雪の部分も明るくなり、白さが分かるようになりました。


皆さんも、こだわりのモノクロ画像仕上げてみてくださいね^ ^
ではまた。



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この記事を書いた人

川口 優子

川口です。どうも。デザインが好きです。最近はアニメーション制作に興味があります。インドアです。

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