【リアル?】イラストのパターン考察【シンプル?】
さがねです。今回もイラストについて書いてみます。
このたび、オデチャンのオリジナル商品「こまねこキーホルダー」を制作しました。こちら、金刀比羅神社内の狛猫をモチーフにしており、イラストは私が担当しております。今回はこの「狛猫」を例題に、「イラストにしてほしい」というオーダーを受けた際、私がどのような考え方で描き進めているのかをお話ししてみようと思います。

実際の狛猫を見てみよう

こちらは、金刀比羅神社にいらっしゃる実際の狛猫の写真です。
この狛猫をモチーフに3パターンのイラストを描いてみました。
パターンA:リアルなイラスト
まずは、実物に忠実なリアル寄りのイラストです。このタッチのイラストは正確性や信頼性が求められる場面で有効で、たとえば製品パンフレットやカタログにおいて、外観や内部構造を図解する際などに使われます。
メリット
ありのままを描くため、イラストのテイストの流行に左右されにくい
デメリット
制作に時間がかかる
なお今回は、制作時間を省力するため、AdobeのAIで加工したものに手を加えております。

パターンB:シンプル化したイラスト
次は、特徴を残しつつシンプルにしたイラストです。リアルな狛猫イラストに比べ、頭部をやや大きくすることで「かわいい」と感じてもらえるよう工夫しています。実物の特徴を保ちながら、部分的に強調や省略を行うことで、情報の伝わりやすさを高めています。挿絵や観光マップや、簡単な図解などに使用されます。
メリット
リアルな表現に比べて堅苦しさが軽減され、親しみやすさが増す
デメリット
省略しすぎると情報不足となり、信頼性が下がる可能性がある

パターンC:デフォルメしたイラスト
こちらは、キーホルダーに使用しているイラストです。実物からは大きく誇張・単純化しており、いわゆる「デフォルメ」にあたります。「阿吽で対になっていること」「阿は子猫を抱いていること」など、狛猫として必要な要素は取り入れつつ、全体のバランスは大幅にアレンジしています。グッズやアイコン、ピクトグラムなど、情報を正確に伝えるというより「親しみを持ってもらう」ことを目的とした場面で使われることが多いです。
メリット
親しみやすさに加え、認識しやすさが向上する
小さいサイズに縮小しても認識しやすい
デメリット
イラストから得られる情報量は少なめになる
イラストレーターの個性が強く出るため、好みが分かれやすい

まとめ
今回は3つのパターンに分類してみましたが、実際には使用する媒体に応じて、カラーorモノクロか、線ありor線なしかなど、さらに細かく使い分けています。イラストを依頼する際には、「どのような用途で使うのか」「見る人にどんなイメージを持ってもらいたいのか」をあらかじめ考えていただくと、制作する側との認識のズレも少なくなるかもしれません。
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